2018 BRM609埼玉600 アタック日本海

BRM609 Audax Saitama 600q Attack Nihonkai in 2018, by SHIBATA Akira.
作成 2018/09/15

はじめに

2018/06/10-07:14 高崎駅ホームにて

今年も目指せ SR (SuperRandonneur) !  そして、「燃やせ、情熱とハラの肉」を合言葉に減量も誓った。  MAX 73kg だった目方は 64kg ほどに落とせたが、ちょっと体力も落としてしまって、減量は失敗な感じだ。  しかし、今年の頭に BRM106 逗子 200kmBRM113 鎌倉 300km を走って、減量の必要性を強く感じて、それなりには減ったから、パワーが落ちても、坂はラクになったんじゃないかと期待した。 

体力が弱いなら弱いなりに作戦を立てて、その中で最善の努力をするようにしたい。  その作戦を立て、実行できるだけの経験と機器はある。  あとは、作戦を実施して、出たとこ勝負って感じか。  失敗したなら、失敗したなりに、その経験を次に生かしたい。 

今年も目指せ SR (SuperRandonneur) !  燃やせ、情熱とハラの肉! 

本番前夜まで

装備(主にハンドル周り)

ハンドル周りの様子

ブルべそのものに対して直接の効果はあまりないが、測定と Garmin connect 用の情報収集のために Edge 520 を取り付けてみた。  ところが、この Edge 520 だが、 GPS の機能があるじゃないの。  欠点は電池の減りが早くて、標準で 15 時間しか持たない。  しかし、あらかじめコースを GPX ファイルで投入しておくとそれを画面に表示できる機能がある。  すなわち、コマ図(キューシート)なしでも走れる可能性があるってことだ。  そんなわけで、従来の装備であるところのキューシートと、以前からキューシートで迷ったときに使用している Colorado300 を併用するという暴挙にでた。 

Colorado300 は画面が大きく単三電池を二本で使用できるというメリットはあるが、欠点として、電池バカ食い( 10 時間程度しか持たない)、重い(量ったことはないが、おそらく電池を入れると 300g 以上ありそう)、バックライトを常時点灯ができないということがある。  事前評価では Edge520 と Colorado300 と同じ GPX ファイルを食えるので、そこの手順は変わらない。  だったら、時々 Colorado300 に電源を入れて、コース間違いをしていないかなどのチェックをするよりは、 Edge520 にモバイルバッテリを接続して、常時 ON として、電池の残りが少なくなったらモバイルバッテリから充電する方法がよいのではないかと考えた。  小容量の小さいモバイルバッテリがほしかったが見つけられないので、普通の 5000mAh なモバイルバッテリを接続し、コネクタからの浸水を防ぐためにビニール袋で Edge520 全体を包むことにした。  また、モバイルバッテリは、トップチューブバッグを下にぶら下げるという方法をとった。  そこから、 Edge520 へカールコードで接続した。 

モバイルバッテリ

主力前照灯は「ジェントス GENTOS LED ライト ネクセラ 909D NEX-909D 」である。  補助灯は「ジェントス GENTOS LED ライト ネクセラ 909D NEX-909D 」と同じシリーズの単三を二本で運用できる「ジェントス GENTOS LED ライト ネクセラ 903D NEX-903D 」(公称:実用点灯時間 10 時間)だ。 

全体

トップチューブバッグの下にぶら下がっているのもトップチューブバッグでモバイルバッテリが入っている。  ダウンチューブに引っかかって左にオフセットしているため、水ボトルを右側からはずす分にはまったく邪魔にならない。  当方、右利きで 99% は右側からボトルを取るので問題ない。 

全体の様子

それと後輪の泥除けだが、今回新調した。  ネジな関節が多いが自由度が高そうだ。 

シートの下にはいつものように輪行袋だ。  これも、新調した。 

コース

コースは案内によると「越生−沼田−魚沼−五泉−新潟−長岡−渋川−越生」という、こんなことを書いてはアレだが、越生から 300km かなたの新潟まで行って帰ってくるだけだ。  つまりアップダウンも三国トンネルを往路と復路で二回通るだけ、それはすなわち 1000m の山を往復でトータル二回だけという難易度はわりと低い 600km ブルベだと思う。 

コース図

走行について、机上の作戦

天気の予想は一日目は晴れ、二日目になると雨が降るようだ。  気温はやや高くなることが予想される。  150W くらいを目標として走行しようと思う。  雨の中に突入したら、 180W を目標に漕ぎたい。  経験上 180W 位出ていると雨の中でも寒くないというか、気持ちいいのだ。  だから、それまで体力を温存するつもりだ。 

雨が降る前の天気図は北西の風で向かい風が予想される。  となると、なるべく体力を使わずに早めに折り返しをしたいと考える。  ま、こういうのは往々にしてうまくいかないんだけどね。 

標高と気温の図

ブルべ当日

茅ヶ崎から、高速で圏央道を使って越生にアプローチした。  現地に到着する 05:00 ごろ、先発の組がスタートしていて、車の当方をすれ違った。 

結果

今回の目標は完走。  先週の BRM106 逗子 200km でも、 BRM113 鎌倉 300km でも平均速度を 20km/h を超えたので、あわよくば 30 時間を切れればいいなと思った。 

が、結果として DNF だ。  370km 地点あたりで吐いちゃった。  詳しいことは後述。 

で、新幹線に乗って、長岡→高崎。  八高線で高崎→越生、そして自転車でゴール地点へ向かった。 

パワー・心拍推移

スタート前

駐車場では 5 時発のかたがたが出発した後でマッタリとしていて、当方を含む 6 時発のライダーが思い思いに自転車の最終チェックをしたり、歓談していたりした。  当方は、親しい方もいないので、一人で自転車の最終チェックをしていた。 

2018/06/09-04:59

2018/06/09-05:03

2018/06/09-05:07

突然、排便欲が頭をもたげてきて、駐車場を借りているところのニューサンピア埼玉おごせのトイレを借りた。  出発前に軽量化できて幸先がいい感じがした。  トイレから帰ってくるとブリーフィングが始まっていた。 

2018/06/09-05:40

ブリーフィングが終わると車検だ。  車検を終えて次々とライダーが出発していった。 

2018/06/09-05:51

スタート〜 PC1

ビミョーなアップダウンはあるもののなんとなく漕いでいると通り過ぎることができる区間だ。 

2018/06/09-06:05

今回はあまり列車を見かけずバラバラに走っている人を多く見たような気がする。 

2018/06/09-06:15

2018/06/09-06:20

2018/06/09-06:36

小前田駅前の公衆トイレはよく寄るのだが、今回は行かずにすんだ。 

2018/06/09-06:49

2018/06/09-08:34

しかし、走り始めて三時間半も経つとトイレによりたくなって、これまた時々寄っている敷島駅前の公衆トイレに寄ったのだった。 

2018/06/09-09:32

2018/06/09-09:56

2018/06/09-10:03

2018/06/09-10:03

スタートから四時間十九分、平均速度およそ 22km/h と当方にとっては非常にいいペースで PC1 に到着した。 

2018/06/09-10:19

PC1 〜 PC2

暑かったんだよね。  水を 2 リットル買って、空になった二本のボトルを満タンにすると 500ml ほど残るわけだけど、一気飲みしちゃった。  効果があるかわからないけど、梅干し握りも食べてみた。 

2018/06/09-10:24

2018/06/09-11:06

2018/06/09-11:20

2018/06/09-11:31

往路のメーンイベント三国峠へのアプローチはさすが二桁国道、長いけど傾斜は緩いのだ。  漕いでりゃ、てっぺんに着くわけで、あとはささーっと下って PC2 だねと。 

2018/06/09-12:24

いつも寄っているトイレは寄らなかった。  暑くて汗をいっぱいかいたせいか、オシッコしたくならなかったのよね。 

2018/06/09-12:48

2018/06/09-12:55

そして、ついにやってきた豪脚超特急!  三人組だったのだけど、その後ろに無賃乗車しても 200W 〜 300W と先頭はどれくらいの出力で牽いているのかと思うくらいだった。 

2018/06/09-13:26

2018/06/09-13:34

そんな豪脚超特急に長いことついていけるはずもなく、空腹を抱えて牛丼屋に飛び込んだ。  そこで豚丼を食べて一息つきつつ、 PC2 へ再度漕ぎだした。 

2018/06/09-14:07

PC2 はスタートから 197q なのに、 9 時間 20 分(約 21km/h )って早くね?  間に 1000m を超える三国峠あったよ。  ビックリだ。 

2018/06/09-15:20

PC2 〜 PC3

まだ暑かったんだよね。  でも、もう 2 リットル入りの水は売ってなかった。  当方にとっては早くても、もっと早い人たちが水を買って、そこだけ棚は空だった。  しかたないから 500ml のペットボトルを四本買って、三本で自転車のボトルを補充し、残りはその場で飲んだ。 

2018/06/09-15:28

しかし、その後が長かった。  向かい風だったんだよね。 

2018/06/09-16:25

2018/06/09-16:45

しかも疲れちゃって来ていて、誰かの後ろにもあんまりつけない感じ。  信号スタートの直後は離れちゃって、だんだん近づいて連結するようになって、連結もあんまり維持できなくてと、振り返って考えると、おそらく PC2 までがオーバーペースだったんじゃないかなと思った。 

2018/06/09-17:47

2018/06/09-19:21

2018/06/09-20:05

下の写真はピントあってないけど PC3 なのよ。  そんなこんなで出走から十四時間半で約 300q と半分まで到達した。  同じペースならゴールは 30 時間を切るだろうが、これからペース落ちるし、ゆっくり走ろうとは思ったのだった。 

2018/06/09-20:31

PC3 〜 PC4

相変わらず水は多く買っていて、ココでは 1 リットル買った。  それ以外にアップルジュースとかね。  ちょっと食欲は落ちていたけど、何とか食べた。 

2018/06/09-20:44

でね、下のボケた写真は多分ブルべライダーを撮影したんだけど、ピントが合わないのよ。  実は、今回デジカメを新調していた。  いままでは Pentax の W90 という 2007 年発売のカメラを愛用していたけど、電池のモチがいまいちな感じになってきていたため、今どきの頑丈なカメラをと「 OLYMPUS Tough TG-5 」を買って持参したの。 

2018/06/09-21:32

OLYMPUS Tough TG-5 は薄暗い時は W90 よりも明るくきれいに撮れた。  しかし、完全に暗くなっていた状態だとピントが合わないわけ。  で、ピントが合わないなら無限遠に合わせて止まってくれればいいのに、多分最も近いところにピントを合わせるからぼけたままになるのよね。  当方が自転車から撮影するときは近くて 2,3m で、普通は無限遠で何ら問題ないわけで、暗いと特にブレブレになるのだから、無限遠にピントが合っていれば雰囲気だけでもということになる。  残念ながら、ピントが合わない、合わせられないときに一番近くにピントを合わせて止まる状態は当方にとっては歓迎でない。  そういうわけで、 GPS がついていて時計合わせをしないで済むとか、明るいとか、防水機能がより良いとかメリットがたくさんあるけど、このブルべの後、 W90 に戻っちゃった。  TG-5 は持っていても仕方ないので、差し上げてしまった。 

PC3 を出てから、脚が動かなくてね。  気づいちゃった。  1 月に 200q と 300q のブルべをこなした。  2 月には腹のヘルニアの手術をしたので、全然走れていなかった。  ここまでは実績。  で、 3 月からの予定はリハビリに出入りしているお店の 100q ツーリングにでて、 4 月は 400q ブルべにでて、 5 月は出入りしているお店のツーリングで日本海に行くつもりだった。  が、 3 月に身内の葬儀があって、すべてキャンセル。  49 日が明けて、手術後の最初のツーリングがこの「アタック日本海」という無謀っぷりに気づいたのだった。  これで、ココロが折れたね。  一気にペースダウンした。  それでも、平地だったから信号がないと 25km/h 〜 30km/h 程度で走行できたんだよね。 

2018/06/09-21:33

頭痛はするわ、眠いわ、脚は動かないわで、休憩を入れたりした。  カフェインドーピングもしてみた。 

2018/06/09-22:52

しかし、スタートからおよそ 370q 地点でコトは起こったのだった。  300km 先の PC3 折り返しまでは、おおむね順調だったが、折り返してから急激に体調が悪くなって、心が折れたまま走っていたら、出たのよ。  毎回 600km 走ってると 300km 過ぎから 500km 弱くらいかな、吐き気がでるのよね。  吐いたことはなかったんだけど、「少しキモチ悪いなー」と思いながら、後ろに一人いる状態で、牽いていたんだけど、急にこみ上げてきてね自転車を左に寄せて、オエっとね。  後ろにいた方には先に行ってもらった。  数回吐いたあと、そこで、 5 分くらいかな、休んでると一人ブルベライダーが声をかけてくれて、「気持ち悪いのでー」と述べて先にいってもらったら、ちょっとして戻ってきてくれて、すぐ先にコンビニがあると教えてくれた。  まぁ、吐き気は相変わらずあったけど、吐くのは収まったので、とりあえず長岡の PC まで行って、輪行で帰る準備をしようと本当にトロトロと走り始めた。  およそ 15 分かけて 5km ほどの道のりを走って長岡駅すぐそばの PC に到着した。  声をかけてくれたブルベライダーと思しき方に礼を述べ、荷造り用品を買って長岡駅前に行った。 

2018/06/10-01:46

どうせ最初の新幹線まではかなーり時間があるので、ゆっくりとゆっくりと作業することにした。  吐き気と闘いながら、動かない身体を使って、およそ 30 分をかけて輪行用にパックした。 

2018/06/10-02:43

パッキングが終わったらやることない。  汗で濡れたジャージが冷えて寒かった。  ウィンドブレーカを羽織ったが、冷たくなっていて寒かったなぁ。  膝を抱えて、寝に入った。 

うつらうつらしながら、駅のシャッターが開くのを待っていたら、四時くらいか、声をかけられた。  顔を上げると警官が二名。  いろいろ事情を聴かれた。  まぁ、職務質問ってヤツだろう。  写真撮っておけばよかったと、今になって思う。  そーいや、長野で DNF に輪行パッキングしている時も長野駅で警官にいろいろ聞かれたなぁ。 

2018/06/10-05:28

朝五時半になるとシャッターが開いたので、駅構内に入った。  風がなくて少し寒くなくなった。  表示を見ると最初の電車は午前六時半。  まだ一時間あった。 

2018/06/10-05:28

午前六時になると売店が開いたので、まだ気持ち悪かったがおにぎり二個と飲むヨーグルトを購入した。 

2018/06/10-06:30

長岡を六時半に出ると 45 分で高崎だ。  さすが新幹線、自転車の 10 倍くらい早い(笑)  自由席はガラガラだったのだが、そこには座らなかった。  当方は自分ではよくわからないが、多分汗臭いハズだ。  自転車も袋に入っているとはいえ、ジャマだからしてデッキに置き、オール二階建て車両を生かして階段に腰掛けた。  一般客に迷惑をかけないようにしたつもりだった。  吐き気はだいぶ収まっていたようなので、おにぎりと飲むヨーグルトを食べた。 

2018/06/10-07:13

高崎に着くころにはお腹が空いていて、駅のホームで立ち食いソバを食べた。  その後、スタートの最寄り駅まで八高線に乗ると、駅では雨が降っていた。  そんなのは気にせず自転車を組み立てて、スタート・ゴール地点まで漕いでいき、そのあたりは雨は降っておらず、ゴール地点で待っていた方々に挨拶をして、帰途に就いた。 

その後

当日

なんとか圏央道の厚木 SA までたどり着いて、そこで仮眠をとった。  おそらく二時間くらいは横になっていたと思う。  割とスッキリして、一気に自宅まで帰宅した。 

帰宅して、食事のあと、シャワーを浴びて、洗濯をした。  尻は少しシみたが、比較的いい状態だと思った。 

翌日

疲労はあるものの、おおむね普通に生活できた。 

考察

吐き気について

過去に 600km のブルべでたびたび体験している 400km 過ぎの吐き気で、今回は初めて嘔吐してしまった。  「残りはたった 230km なのになー」と DNF 決めて最初に思ったわけだけど、ここで 230q あるのに「たった」と思ってしまってるところが距離感が壊れているがそれは置いておこう。  とにかく、時々体験している吐き気、思い返すと 200q や 300km ではほぼ体験せず、 600q で食らうパターンが多い。  でも、 2016 BRM1022 あおば 600km 天城越えを例にするとカっとんで走ってもこの問題が出なかったこともあるわけで、大した問題ではないとずっと思っていた。 

ハッキリ見つけられるなかでは、週末二週連続で 600q を走ったときの後のほうの2014 BRM705 埼玉 600km アタック日本海で吐き気がでている。  このころはブルべ中に焼肉でもなんでも食べられるぜとか思っていたころで、その後も吐き気がでてもあまり気にしていなかった。  しかし2015 BRM308 あおば 200km 伊豆でのゴール後の酷い吐き気で、この問題は大きく顕在化した。  ただ、2014 BRM705 埼玉 600km アタック日本海以前も、後半の補給を見るとビタミンとか胃腸薬風なものを補給していることがあるので、書き忘れていても、気持ち悪くなっていることはあったようだ。 

2015 BRM308 あおば 200km 伊豆で書いたように、マラソンは、「マラトンでの戦勝を兵士が走って伝えて死んだ」という故事に由来し、その兵士はおそらくケトーシスか、アシドーシスか、両方を併発するケドアシドーシスをおこして死んだだろうと想像した。  吐き気はこの症状であるアセトン血性嘔吐症と考えられるし、それなりに危険な状態であろうと思われる。 

長距離のツーリングだからして、潤沢な炭水化物を用意してハンガーノックを起こさぬよう、ケトーシスアシドーシスにならぬようどうすれば良いかを追求していきたい。 


最後に

身体を鍛えることも重要であるが、当方の内臓の弱さはまさに致命的な可能性がある。  この辺を追求して、楽しくブルべを完走したい。  この代謝系は鍛えられるモノなのか、年齢による不具合なのか、検討していきたい。 

オダックス埼玉の方々、サポートのメンバー、各出走者には感謝している。  この場で感謝の意を表したい。  願わくば、当方が誰にも迷惑をかけていないこと、誰かの力になれればと。 

ということで、終わりとする。  質問・意見・感想も歓迎だ。 


Memorandum about wheelers | ほかのジャンルを見てみる | サイトマップ

免責

beacon

当方(SHIBATA Akira)は, 本サイトをご利用の際に起きるかもしれない不利益に対し, 一切責任を負いません.