2014 BRM705 埼玉 600km アタック日本海

Challenging brevet 2014 BRM705 Saitama 600 attack Japan Sea, by SHIBATA Akira
作成 2014/07/11 随時更新
自転車漕いで日本海

はじめに

当方は 2010 年2011 年CX900 というシクロクロス用自転車で、一応 SR (SuperRandonneur) という、 200km,300km,400km,600km を制限時間内に走りきった人の称号を当方も自称できるようになったことがあった。  また今年 2014 年も SR (SuperRandonneur) を自称できることを目指したい。 

すでに、BRM531 アタック三保で 400km を走ったし、BRM628 のんびり新潟で 600km を走りきれた。  今回のチャレンジは、 600km 走った次の週末に 600km 走りきれるのか? また、どれだけキツいのか? ということだ。  しかも、今回 600km 走りきれれば、あと一本のブルベ、どんな距離のブルベでもいいので走れば SR 自称可能になれる。 

具体的方法

400km だったアタック三保では尻の皮がむけて体液が滲出した し、治るのに二週間くらいかかった。  600km ののんびり新潟では対策してシリの皮の臨時強化できたから、翌週でも問題ないハズだ。 

600km ののんびり新潟で行った二重の対策はうまくいったので今回も踏襲したい。  その一は、水着着用だ。  その二は、シリやヒザ裏、股などにテーピング用粘着テープを貼って臨時強化だ。  要するに皮膚を保護強化するってなところだ。  肌が弱いので、後で痒くなったが、ムケて出血するよりはマシだ。 

装備

ハンドル周り

ハンドル周りは前回のままにしてあるので、そのまま使うつもりだ。  コマ図は提供されないようだ。  キューシートのみの提供ということで、キューシートだけで走行することになる。  AJ 群馬のキューシートよりも字が大きいが、コマ図ナシはミスコース連発の恐れがある。  ないものはないということで、文字が大きいことが救いの今回の当方のチャレンジのひとつでもある。 

レイアウトを一週間前と変えていないので、前回の写真を使いまわすことにする。  解説すると、左前方の黄色いのは、パワータップのロガー(記録装置)だ。  このロガーの表示は上から、パワー、心拍、ケイデンス(回転数)が便利であることがわかったので、そうしている。  パワータップのロガーに手前の黒いのは、速度と走行距離を表示させている。  個人的好みでずっと有線タイプを使っている。  中央は GPS 端末で Colorado300 というものだが、電池をバカ食いするので、コマ図で道を追えなくなったときに確認するために使うのでなるべく使わない。  GPS 端末の右隣がキューシートだ。  あと、ハンドル右の端っこに後方を映す鏡をつけている。  この鏡は後ろに自動車が来たりしてないか見るのだ。  上り坂で道の真ん中をふらついているときもミラーをちょくちょく見て自動車やオートバイが来る前に左に寄ればいいわけだ。 

また、今回もサドル下に輪行袋をつけた。  シリのスレ具合で使うかどうかが決まった。  使わなくて済むよう願った。  実際にはシリのスレ具合ではなく、体調不良で DNF する気だったんだけどね。 

コース

下の図のように走るわけだ。  今回の目標は完走すること。  出力を下げ、ラクに走り、ここぞというところで、回転を上げるなどして出力を上げるようにしようと思う。  標準的に 150W くらいで走るようにして、上り坂でも 180W-200W くらいを目標としよう。 

コース図

結果

完走できた。  時間は 35 時間 12 分だった。  なんとミスコースはほとんどなかった。  おかげで、別の問題が浮上した。  そう、ミスコース前提で走行距離計の数値を少なくでるようにしたら、ミスコースしないと距離計の値が増えていないので、予定の値よりも手前で曲がらないといけないことになった。 そんな状態だと計算が面倒で、まさに本末転倒なことになった。  なお、パワーの記録は約 500km 地点でロガーの記録限界に達して、当方の最後のガンバりは記録されていない。 

他にも、腹痛、吐き気、眠気と戦うという、今までのブルベでは体験したことのない不調との戦いだが、なんとかゴールにたどり着けた。 

ブルベ全体情報・時間基準

前日

今回はスタート地点での車中泊が禁止されていたので、仕事を終えたら仮眠をとって、自宅からスタート地点にクルマで向かうこととした。  よく眠れたが、ちょっと出発が遅れたかな?  雨模様の中、スタート地点まで 3 時間とみて自宅を出発した。 

当日スタート前

実際には自宅の出発は 30 分遅れで、到着も予定より少しオーバーの 3 時間ちょっとで到着したので、ブリーフィングには出られなかった。  大急ぎで準備をしていると、続々と 5 時出発組の人たちが出走していく。  あせりつつもボトルに水を入れたり、忘れ物がないか最後のチェックをして、受付に向かった。 

2014/07/05 04:58 車検の様子
車検の様子

スタートから PC1 (約 99km ) まで

先週の群馬の 600km ブルベを思い出すところの雨中走行で幕を開けた 600km の今回のブルベは、結果的には暑いブルベになったが、最初は「今回もずっと雨の中かな?」とか考えていた。  でも、走り続ければ寒くないし、予報では後半は雨が上がることになっていたし、これから向かうハズの北の方ほど雨が降らない予報だったから、雨が上がることが期待できた。  ただ、怖いのは直射日光だ。  この時期晴れると暑いはずなので、できれば曇りがいいなぁなどと勝手なことを考えていたのだった。 

2014/07/05 05:03 ブルベライダー
ブルベライダー

PC1 まではほぼ雨の中で、時々雨が上がった。  基本的には雨中サイクリングだった。 

2014/07/05 05:04 ブルベライダー
ブルベライダー

当方は自転車のことは詳しくないし、知り合いもほとんどいない。  そのため自転車もライダーも区別がつかない。  よって、同じ人がしょっちゅう写っているかもしれないが、それは容赦願いたい。 

2014/07/05 05:10 ブルベライダー
ブルベライダー

スタートしてすぐは元気が人が多く、また信号も多い。  当方は、信号からのスタートの加速も悪く、またちょっとの上りでも遅いのでけっこう抜かれる。 

2014/07/05 05:27 ブルベライダー
ブルベライダー

自転車は同じような形だし、カッパを着て、反射ベストを着ていれば、多少色合いやガラが違っていてもみんな同じに見えてしまう。  写真はたくさん撮ったが、同じ PC 間ではなるべく同じ人だと思われる方の写真を除外している。 

2014/07/05 05:52 ブルベライダー
ブルベライダー

あとは速度差が大きくて撮影できなかった人などもいる。  とにかく、当方は出力を 150W 前後で走ろうとしていたので、抜かれるときの速度差は小さくなかった。  なんかブルベで他のライダーを撮影するのがシュミっぽい感じな気がしてくる。 

2014/07/05 05:52 ブルベライダー
ブルベライダー

どのブルベライダーかは見分けがつかないが、 AJ 群馬のスタッフの人が今回の出走者の中にいたのを思い出した。  仕事の都合で試走も、当日のスタッフ参加もかなわなかったらしい。  当方もホントは仕事を前日か前々日に休みを入れて休養十分で参加したいとかいろいろあるけど、そうも行かないもんな。  都合の範囲内でやるっきゃないから仕方ないことだ。 

2014/07/05 06:02 ブルベライダー
ブルベライダー

当方、いっつも走りのほうでいっぱいいっぱいで他の方を覚えていられない、いや普段でもモノを覚えてられないので、なかなか他の方のことを覚えられないのかも。 自転車の種類とかもよくわからないし、自分の自転車を間違えずに見つけられるだけエラいと思ってくれぃ。  って、書くとカナリのノータリンみたいだが、ビョーキかと思うくらいいろいろ覚えてないので許して欲しい。 

2014/07/05 06:04 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 06:07 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 06:07 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 06:21 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 06:28 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 06:36 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 06:58 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 07:34 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 08:28 敷島駅前公衆トイレ
敷島駅前公衆トイレ

小前田駅にある公衆便所(写真撮り忘れ)に続いて、また用を足したくなったので、寄った。 

2014/07/05 08:51 ブルベライダー集合
みんなで登攀

公衆トイレを出るとブルベライダーな列車が通過した。  じんわりじんわりと近づき、ついには列車に連結できた。  連結できた頃にはイナカ道になって列車がバラけてバラバラに走る集団となった。  まぁ、横に広がってアレコレ話をしながら走るような感じね。 

2014/07/05 08:55 ブルベライダー集合
ブルベライダー集合

この集団は当方を入れて 9 台というわりと大きめな集団になった。  クルマがこないようなイナカ道なので道に広がって上った。 

2014/07/05 08:56 この集団は時々、他のブルベライダーを抜くこともあった
この集団は時々、他のブルベライダーを抜くこともあった

当方は知り合いもいないし、くっついていければいいやと最後尾についていた。  前の方では、アレコレしゃべっている様子が聞こえてきた。  しゃべれるほど余裕で走っているってことか、当方もそうなりたいと願った。 

2014/07/05 09:25 PC1
PC1

そうして、出走から四時間半で PC1 に到着した

PC1 から PC2 (約 199km ) まで

暑くもなく、割と省エネで PC1 に到着できたので、シュークリームとブリトーだけを買って食べた。  レーション(行動食)には、ヤマザキのつぶあんぱんを今回も持ってきていたので、およそ 20km で一個を食べながら来ていた。  PC1 までに 5 個を食べていたため、およそ 650kcal 摂取していたから、シュークリームとブリトーあわせて 580kcal 足して合計 1230kcal とちょっと少ない。  牛丼屋があったら寄ろう!…そうココロにきめた。 

2014/07/05 09:29 シュークリームとブリトー
シュークリームとブリトーの写真

PC1 を出ると三国峠まで上るわけだが、途中巨大な構造物が見えた。  日本の土木建築技術ってスゴいなぁと思わずにはいられない。 

2014/07/05 09:52 鉄道と自動車道だと思う
橋梁の写真

2014/07/05 09:59 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 10:23 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 10:37 ブルベライダー
ブルベライダー

2014/07/05 10:57 ブルベライダー
ブルベライダー

何人かのライダーと抜き抜かれつして、 11:19 ついに三国トンネルに到達した。  トンネルを抜ければ晴れると誰かが言っていた。 

2014/07/05 11:19 三国トンネル
三国トンネル

しかし、実際にはトンネルの向こうでも雨が降っていた。 

2014/07/05 11:41 いつもの公衆トイレ
いつもの公衆トイレ

いつも寄る国道 17 号の公衆便所。  今回は写真だけでマーキングはナシということで、トイレに寄るのはスプレイ行為じゃないよと。 

2014/07/05 12:58 おろし牛丼大盛り
おろし牛丼大盛り

今回一箇所だけ見つけた牛丼屋、しっかり寄った。  豚丼がないので、牛丼に大根おろしをつけるメニューを選んだ。  大盛りで炭水化物の補給と、大根おろしのメニューということでご飯の消化を期待した。 

2014/07/05 13:15 晴れた空
晴れた空

牛丼屋アタリまでは曇っていたが、だんだん雲は減って、今にも雨が降りそうな空から、青空が広がり、ついには直射日光がほぼ常に当方の背中を焼くようになった。 

2014/07/05 14:08 PC2
PC2

出発から 9 時間余りで PC2 に到着だ。  200km のブルベで 9 時間なんて走れたことはないから、やっぱり山道など信号の少ない道は早く進むことができる。 

PC2 から PC3 (約 266km ) まで

暑くなって PC1 から PC2 の間のおよそ 100km でボトルの水の計 1,400ml はほぼ空になっていた。  1.5l の水を購入し、ボトルに詰め、余った分はその場で飲み干した。  シュークリームがなかったので、エクレアを食べて、 500ml のグレープフルーツジュースを飲んだ。  グレープフルーツジュースはクエン酸が多いらしい。  クエン酸は疲労が軽減されるとかで、ちょっと期待しちゃう。 

2014/07/05 14:12 食べたもの
PC2 で食べたもの

で、この PC3 までの区間はほぼずっと向かい風で閉口した。  なんと、下の写真のライダーは当方が抜いた後、当方の後ろを走っていた。  つまり、いつもは当方が勝手連結しちゃうのだったが、今回のブルベでは当方が連結されちゃった。  「オイラも出世したなぁ」とか思った。 

2014/07/05 16:00 ブルベライダー
ブルベライダー

ふと見上げると、弥彦神社の大きな鳥居が見えた。  ブルベで明るい時間にこの大きな鳥居を見るのは初めてだ。  先週の群馬の 600km ブルベではここを通過するのは 20 時過ぎだったしねぇ。 

2014/07/05 17:27 弥彦神社の大鳥居
弥彦神社の大鳥居

まぁ、なんにせよ出発から 12 時間半で 266km な PC3 に到達できた。  暑いし、向かい風でヘロヘロになったことよ。  雨風などの自然現象に文句を言っても始まらないが、どこかで追い風になってくれるよな?と願いながらここまで走ってきた。 

2014/07/05 17:27 PC3
PC3

PC3 から PC4 (約 312km ) まで

PC2 でも水を補給したが、暑かったので 70km もない PC 間だったがボトルは空になったので、再び補給だ。  もうちょっとすれば涼しくなるだろうという期待、夜間走行に備えて弁当を食べた。 

2014/07/05 17:34 PC3 での補給
PC3 での補給

PC3 を出て一時間余り、見られるかもと思ってついに実現した明るいうちの日本海到達。  おそらく、今回で四回目だが、初めてのことだ。  日本海へきたときはいつも夜だったからなぁ。  下の写真には佐渡島が写っている。 

2014/07/05 18:53 佐渡島 over Japan Sea
日本海に浮かぶ佐渡島を望む

ま、太平洋岸な湘南に住んでいるので、海は良く見る。  日本海だって太平洋だって変わらない。  自転車で走れば海岸の道だ。  ただ、三国峠という分水嶺を越えて本州の反対側へ自転車漕いでやってきたという事実で自己満足しているのだ。 

日本海を見たあと内陸に向かったが、この辺からハッキリ体調に異変を感じた。  水をボトルから飲んだ後にゲップをすることが多いが、こみ上げるものがあって、吐く息がゲロ臭いのだ。  日本海を見る頃から、なんかキモチ悪いなぁと思っていたが、こみ上げてくるような感じで吐き気を催していた。 

2014/07/05 19:57 PC4
PC4

スタートして 15 時間、道のりの半分まで到達した。  いいペースだ。  ただ、夜間はとてもペースが落ちるので、ゴールまでの時間は単純に二倍にならない。 

PC4 から PC5 (約 420km ) まで

PC5 までは 100km 以上あるので、ガッツり補給をしておきたいところなのだが、キモチ悪くて固形物が食べられない。  そこで、さわやか系な炭酸オレンジジュースを飲んだ。  また、吐き気に対しては胃腸薬を飲み、体調を整える期待でビタミン補給した。 

2014/07/05 20:05 PC4 での補給
PC4 での補給

PC4 を出て、ちょっとすると眠くなってきた。  バス停を見つけては、仮眠だったり、座って目をつぶるだけだったり、何度も休憩した。  キョーレツに眠いが、休憩の目安は入眠時幻覚を見るようなら休憩ということで、休憩してもなお幻覚が取れないならもうちょっと休憩という基準で自転車に乗りつつ休憩を取った。  どんな幻覚かといえば、冷静ならすぐわかることだ、たとえば誰もいないのに人が飛び出してくるように見えたり、道の先のビルなどが人の横顔にみえたり、目の前にヘッドマウントディスプレイがあるかのように幾何学模様やゲージのようなものが見えたり、要するに見えるはずのない幻影が見えたら、それは眠すぎて幻覚を見ているってことなのだ。  そんな幻覚を見ていれば危ないから、安全のために寝た。 

2014/07/05 21:45 おそらく二回目の休憩のバス停
休憩のバス停

このころから、こみ上げてくるものはあるのにハラはへっているという状態になって、ハンガーノックな雰囲気になってきた。  また、時折腹痛が襲ってくるようになって、体調がカナリ悪くなってきた。  これは DNF をしたほうがよさそうだと思うようになった。  しかし、時間帯はもう電車が動かなくなる時間帯、しかもイナカ。  始発が動き出す時間帯まで、いけるところまで行って、それから DNF を宣言して電車に乗って帰ってくればいいやと思った。 

2014/07/06 00:07 エネルギー補給
即物的にエネルギー補給

相変わらずこみ上げるものはあるし、でも腹はへっていてどうにもならん。  ハンガーノックで死亡とかカッコ悪いし、電車が動き出すまでの道のりの分は補給しておかないといけないと思い飲んでみた。  休憩を取りつつ、少しづつ進行した。  さらにうれしくないことに、このころから腹痛も始まった。 

何時ごろかわからないが、初めて火球と思われるモノをみた。  同定できないが、時間帯的におそらくはコレじゃないかなぁ…  当方が見たものと同じものなら進行方向左前方ということで、おそらくは津南から栄方面の道にいたわけで方角も概ね合致すると思う。 

2014/07/06 03:05 ブルベライダーな団体様
四人のブルベライダー

何度目の休憩かはわからないが、四人のブルベライダーが当方を追い越して行った。  そのときに声をかけてもらったのだが、聞き覚えてのある声だ。  記憶違いでなければ四年前にアタック日光ビーフのときに当方を精神的に救ってくれた方ではないかな? まぁ、とにかく速度差が小さかった。  正確には速度差はあったが、それは当方がヘタレてチンタラ走っていたからであって、ちょっとガンバれば着いていけそうな気がしたのだ。  気分的にはガンバった。  出力記録をみても、ソレまでとさして変わらない。  しかし、とにかくこの四人について行こうとガンバった。  PC5 まで数キロメートルというところで信号のタイミングではぐれて、すぐにヘタレたのでそれ以降お見かけすることがなかったがこの方々のおかげで、眠気を忘れて PC5 にたどり着くことができた。 

2014/07/06 04:20 PC5
PC5

PC5 から PC6 (約 512km ) まで

PC5 にいるときは空腹感、吐き気、腹痛、眠気と体調は過去のブルベでは最悪だ。  先週の群馬の 600km ブルベでの疲労が回復しきっていないのに、今回のブルベと内臓が疲労で動いていないのではないかと考えた。  ただ、あと 200km と思うと「ひょっとして走りきれるんじゃね?」とか思うようになってきたのが、自分でも頭オカシイとは思う。 

2014/07/06 04:29 補給とシリ用タオル
補給とシリ用タオル

PC6 まではおよそ 90km で、吐き気で相変わらず固形物が食べられない。  また、シリが痛いのでクッションを置けば痛みが和らぐのではないかと四年前のアタック日本海の通過チェックのときを思い出した。  クッション代わりにタオルをシリにしけばいいのだ。  ってなワケで、いちごミルクとタオルという組み合わせになった。 

2014/07/06 05:02 歩道で寝るときは自転車を立てた
立てた自転車の写真

大きい国道だとバス停があるのだが、道が細くなってくるとバス停がなく寝るところがない。  そこで路面も乾いていることだし歩道で寝ることにした。  ただ、自転車を倒しておいて、自分も横になって寝ると、いかにも倒れているようなので、自転車は縁石を使って立てた。  それでも自動車が心配してくれて一台止まってくれたというか、申し訳なかった。  大きく「仮眠中」というフダを立てたいくらいだ。 

2014/07/06 06:06 カフェインドープ
コーラの写真

道は上り坂に差し掛かって、いよいよ菅平への上りだ。  吐き気がすこしおさまって来ているような気がした。  とするなら、本日のメーンイベントたる上りで、今こそカフェインドーピングをするときだと思い、自販機でコーラを買って、飲みながら自転車に乗った。 

2014/07/06 06:14 すぐ食べるわけでなく、途中で食べるために購入
ご飯なレーション(行動食)

コーラを買って、走行しながら飲んでいたら、結果的には菅平への道で最後のコンビニがあった。  そこで、海苔巻きとおむすびを購入した。  吐き気はおさまりつつあったとはいえ、なくなったわけではなかった。  食べられそうになったら食べようと購入したのだ。 

購入して 30 分後、なんとか食べられそうな気がしてきたので、海苔巻きのほうを食べてみた。  吐き気はするものの、こみ上げる圧力は下がっていて、息がゲロ臭くなることもなくなった。  10 分ほど間を空けて、おむすびを食べた。  とにかく、涼しいうちに菅平まで上がってしまえば体調が悪くてもゴールも見える(往生際が悪く DNF する気になっているが、ゴールしないと決めていたわけではなかった)と思ったわけだ。 

2014/07/06 07:11 下から見たところ
見上げた写真

とにかく食べきってヘコヘコと漕いでいた。  眠気はイマイチ取れている気はしないし、やや頭痛もするが、幻覚がでないので、少し目が覚めているのかなと考えつつ、上を見上げると道路がある。  あー、アソコへいくのねーと思った。 

2014/07/06 07:21 上から見たところ
見下ろした写真

そして、 10 分後には下から見上げた「アソコ」にいた。  一応上からも写真を撮った。  だんだん腹痛が強くなり、菅平へ上がったら、コンビニに飛び込もうと考えた。  想定計算ではあと〇キロメートル、あと◇キロメートル、あと△キロメートルと秒読みのように腹痛と戦いながらクランクを回した。  脳裏に野グソという言葉がよぎったが、バックパッカーをしたときにも、今までのブルベでも経験がないので、体調の悪い今回はまだそんな勇気はでなかった。 

2014/07/06 08:14 菅平の公衆トイレ
菅平の公衆トイレ

傾斜が一段落して概ね頂上というところでふと見ると公衆トイレを発見っ!  ここで寄らなきゃ犯罪でしょう。  便座に座って硬いのを出しましたよ。  あまりたくさんの量はでなかったが、内臓が動きだした感じがした。 

2014/07/06 08:59 鳥居峠
鳥居峠

眠気が一時的に取れているこのときに鳥居峠をも制覇しようということで、さらっと越えて、下った。  下ったが、途中で眠くて休憩を何度も取った。  途中で AJ 群馬の人に出会った。  「先週ブルベで走ってましたよね」と聞かれれば、間違いないので「はい、走ってました」と答える。  当方は知らなくても、先方は当方を知ってくれている。  ありがたいことだ。  でも、この方のおかげでちょっと目が覚めた。

2014/07/06 09:37 出したら食えるようになった
弁当の写真

再び便意を催したところでコンビニを発見したので、寄ったらマウンテンバイクで参加しているブルベライダーがいた。  なんとその方はヒザをガードレールに当てて擦りむいている。  アレはいたそう。  捻挫とか骨折とかと違う痛みっつうかね。  シャワーとか入ると泣くよなっつう痛みだね。  その方は先に出たが、排便したら、空腹であることを思い出し、助六寿司を食べてみた。  吐き気もおさまっている。  どうやら復調してそうだ。  あとは眠くなければなぁ。 

2014/07/06 11:17 PC6
PC6

PC6 から PC7 (約 553km ) まで

電車の動いている時間にあと 100km というところまで到達した。  しかも、体調は回復方向だ。  メーンイベントである菅平も涼しいうちに越えちゃったので、あとは下り基調の平地だ。  DNF しようかちょっと悩んだが、あと 6 時間でゴールしても二時間強の余裕がある。  完走が目的だからしてゆっくり行こうとゴールを目指すことに切り替えた。 

2014/07/06 11:21 さあ食うぞ
弁当の写真

食べたあと、走っていたが休憩もちょくちょくしていた。  ところが、あるとき「お疲れ様〜」の声で目が覚めた。  そう、居眠り運転していた。  幻覚を感じる前に寝ていたのか、気づかないくらいボケボケになっていたのかわからない。  とにかく、自転車は漕いでいたが、ノーミソは寝ていたのだ。(ゴール後に聞いたらフラフラしていたらしい) 

2014/07/06 12:52 PC7 までの恩人
PC7 までの恩人

声をかけてもらって、目が覚めたが、このまま一人で走れば、また寝ると思った。  そう、追いかけて勝手連結しようとした。  が、この方、信号からの発信が早いんだよなー。  たいていドラフティングできるほど近づく前に赤信号になった。  そんなわけで、後ろを走ったが、空気抵抗を減らすことにはあまりならなかった。  でも、当方の脚はこの終盤になっても必要なパワーは出てきたので、まだ売り切れていなかったといえよう。  要するにチンタラ走るようなヘナチョコ走りはノーミソが寝ていたからだったのだ。 

2014/07/06 13:25 PC7
PC7

この辺は先週の群馬の 600km ブルベのゴール直前に走ったところだと思い出した。 結局 PC7 まであと 2km くらいの信号のタイミングではぐれたが、ここまで運んでもらって大変にありがたいことだった。  また、一所懸命漕いだので眠気もトンだ。 

PC7 からゴールまで

予想外に早く PC7 に到着したので、ゴール予定も 19 時ごろでなく、 17 時過ぎくらいと大幅前倒し見込みとなった。  まぁ、余裕がうまれたということだね。  あと 50km を走りきれればいいやということでもあるので、食事も軽く済ませた。 

2014/07/06 13:31 あと 50km なので軽く
オニギリ二つ、飲み物

PC7 に当方を連れてきてくれた方も軽く済ませたようで、さっさと PC7 を出て行ってしまった。  当方は軽くとはいえ、まだ食べている途中だったので追えなかった。  でも、ガンバってゴールまで走ろうとマウンテンバイクの方を置いて PC7 を辞去した。 

2014/07/06 15:01 結局マウンテンバイクの方についていくことにした
ついていきます!

PC7 を出てしばらく走っているといつの間にかマウンテンバイクの方が後ろにいた。  信号からの当方の加速は不満らしく、当方を抜いて行った。  ここでついていけば、ゴールまでいいペースでいけると考えて一所懸命漕いだよ。 

2014/07/06 15:07 小前田駅前公衆トイレ
小前田駅前公衆トイレ

途中、最初に小用を足した小前田公衆トイレを発見して、「あぁもうすぐだ」と感動した。  ゴールにはマウンテンバイクの方に続いて、入って手続きした。  結局 17 時過ぎという当方の予測より大幅に早まって 16 時 12 分にゴールした。 っちゅうか、眠気が飛べばソレくらいの速度で走れたってことだよね。  しかし、マウンテンバイクの方のヒザのキズは見ていて痛々しかった。 

フィニッシュ後

フィニッシュしたら、通行止めに遭ったかと聞かれた。  当方らはそんなことはなく、キューシート通りに通過した。 事件があったらしく後ろのライダーらは通行止めになって、回り道を余儀なくされているらしい。  何があったんだろうねぇ。 

2014/07/06 16:28 飲み物を何杯かいただいてゴールを辞した
ゴールの場所

さて、帰る段になって、本気で心配になってきた。  マウンテンバイクの方と、「雨で濡れて三十数時間履きどおしの靴を脱ぐとどんなニオイがするだろうか?」とね。  マウンテンバイクの方は卵の腐ったニオイと、当方は吉見運動公園の沼の泥のニオイとどちらも硫化水素系ニオイを想像していた。 

2014/07/06 16:28 どんなニオイが封じ込められているか恐怖の靴
履きっぱなしの靴

息を止めて脱いで、恐る恐る鼻で息をしても、あれ?クサくない。  靴下を脱いで鼻を近づけると、まぁ、そりゃクサいが失明するとか、脳天がしびれるとかそういうのでもなく、ちょっとクサいだけだ。  ビビって損した(笑)  ひょっとしてマウンテンバイクの方は気絶したかもと思ったが、わざわざ人の足のニオイを嗅ぎに行くほど変態じゃないので、やめた。  当方の場合、先週の群馬のブルベの後で靴もしっかり洗ったからか?  今回もちゃんと洗って干しておこう。  そう思った。 

当日

往路は 3 時間ほどだったが、復路は 7 時間かかった。  入眠時幻覚が見えたら一時間ほど寝た。  一回は一時間寝てもまだ幻覚が見えたので、もう一回寝た。  トータル四時間分寝て帰宅した。  最後は幻覚は見えないが、目がショボショボして非常にあけにくかった。 

途中でお弁当屋さんによって弁当を食べながら進行した。 

身体のダメージは、シリはキネシオテープのおかげで傷なし。  股間はキネシオテープを長く貼ったので、先週の群馬の 600km ブルベとは違い、はがれずにキズナシ。  他にはヒザの裏のスジのところもキネシオテープを貼ったので、痒いがキズナシ。 

翌日以降

脚のダメージは階段の上り下りをすると疲労を感じるが平らなところを歩く分には問題を感じなかった。  そんなわけで、新江ノ島水族館に遊びに行っちゃった。 

食事は食べられるが、ずっとモタれている感じ。  金曜日の朝くらいにほぼ違和感はなくなった。 

考察

今回は途中で体調が悪くなって出力が下がったわけで、脚が動かなくなったわけじゃないことが下のピーク出力記録からわかる。  すなわち、120 分出力はスタートから四時間後からの 120 分がもっとも出力が大きかったわけで、 5 秒に限れば 6:48:13 後がもっとも大きかったのだが、一分出力で最大はなんと約 29 時間後が最大だと記録されている。  おそらくは鳥居峠からの下りで他の自動車との関係でちょっとガンバっちゃたんじゃないかな。 

ピークパワー
ピーク出力記録

だから、今回露呈した当方の弱点は出力とか皮膚のスレではなく、眠気や内臓などの問題だ。  一週間では内臓の疲労は取れなかったということだろうか。  一時期はブルベ中に焼肉も食べられると豪語していたが、今は食べられないタイミングもあるとちょっと謙虚になっておこう。  自転車のプロ選手などは毎日のように 7000kcal くらい燃やせる身体を持ち、それに食事で補給できる内臓を持っているハズだ。  当方が 4000kcal くらい補給できるからといっても、まだまだだということだ。  修行の道は遠いのぅ。 

ミスコースについて

今回のようにミスコースをほとんどしないこともある。  ミスコース前提のセッティングはちょっと困った(笑)ので、次回以降は別途考えることにする。 

皮膚臨時強化について

先週も今週も雨の中をかなり走った。  繰り返しになるが、雨でふやけたところをこすれると当方の皮膚は軟弱なので擦り切れてキズになる。  たいした痛みじゃないといえば、そうなんだがこすれると痛いんだよ。  そこで、テープを貼って、皮膚を強化することを考えた。 

結果としては成功だ。  シリは小さいサドルに 20 時間以上座っていたという痛みはあるが、こすれた痛みじゃない。  つまり、雨だろうがなんだろうが、擦れて傷ができることもなく、したがって痛くもない。  股やヒザの裏も同様だ。  もし、コレをお読みの貴方が、雨で DNF する原因や、雨中サイクリングを忌避する理由が、当方と同じ皮膚の擦れによるキズなら、伸縮テープを貼るといい。 

晴れれば暑いこの季節、雨は絶好のサイクリング日和だ。  このテープを使って快適なサイクリングにしてほしいし、何より雨を味方につけてほしい。 

結びに

DNF するつもりだったのに、途中で回復するなど、自分自身の成長をちょっと実感した。 

長丁場のブルベを支えてくれているスタッフ、当方のようなヘロヘロ自転車乗りに声をかけたり付き合ってくださった人々に感謝の念をささげる。 

思いつくところを追加してみたいと思う。  意見・感想も歓迎だ。 


Memorandum about wheelers | ほかのジャンルを見てみる | サイトマップ

免責

beacon

当方(SHIBATA Akira)は, 本サイトをご利用の際に起きるかもしれない不利益に対し, 一切責任を負いません.