KREITLER KILLER HEADWIND 改造記

Remodeling Kreitler Killer Headwind Fan to Tailwind Fan, by SHIBATA Akira.
作成 2014/01/15

はじめに

Kreitler Killer Headwind

当方は 2013 年 5 月に Kreitler Killer Headwind を導入した。  当初の構想では、顔とかに前から風を当てるよりも尻とかモモで熱が出るので、後方から身体に風を当てたいと思った。  しかし、当方の望んだ方法で取り付けたが失敗だった。  要するに噴出し口の向きが希望通りにならなかった。 

原因は、分解して組みなおそうにも、分解できなかったのだ。  分解できない理由は米国製の装置などにありがちなこと、すなわちボルトなどがインチサイズだったからだ。  よって、アーレンキー(六角棒スパナ)について、当方が所有するメートル法基準のアーレンキーではサイズが合わなかった。 

ところが! 2013 年の秋、たまたま DIY のお店で工具を眺めていたときに目に留まったのがインチ基準のアーレンキーだった。  おサイフにもやさしいお値段設定!  失敗しても、悲しさは特に感じないくらいのお値段だし、買わないわけには行かないだろう?  使えるかどうかは自信がなかったが、ソッコー買ったね。 

インチ基準のアーレンキー

分解

シロッコファンのケースをはずすのに対応するサイズのボックスレンチのコマを持っていないのでサクサクはずすことはできなかった。  ただ、溝が切ってあってマイナスドライバーがあればはずせる。  マイナスドライバーはたぶんインチ規格もメートル規格もあまり変わらず使えると思うので、もともと持っているマイナスドライバーをつかった。  ただ、マイナスドライバーって使いにくいんだよね。  回転軸が安定しないのと、しっかりハマらないっつうかねぇ。  まぁとにかくビスをはずしてシロッコファンをむき出しにして中心のナットをはずしにかかった。  前回の失敗の時は対応するサイズのボックスレンチとかメガネレンチもスパナももってなかったのではずせないと考えたわけだけど、もっとよく考えてみればモンキーレンチならフリーサイズじゃーん!

プーリーボルトの写真 シロッコファンの中のボルトの写真

ということで、回転力を伝えるプーリーの中心軸(上の写真左の黄色矢印がさしている)に 3/16 サイズのアーレンキーを差込んで固定しながら、上の右の写真で緑の矢印が指しているナットをモンキーレンチで回した。  コイツを緩めて、あとは手で回して外した。  次に、写真中でマゼンタの矢印が指している止めネジなイモネジを 1/8 サイズのアーレンキーで緩めて軸留めの金具をはずすとシロッコファンが外れて、下の写真のようにベアリングを留めている状態になる。 

軸が露出した状態

さらにボルトを四本はずすと下の写真のように動きを制限する穴が見えた。  バナナのような形の長穴によって向きを制限できるわけだね。 

穴

解析と組み付け

当初の構想では失敗したが、下の構想図のように A 〜 B の方向に風向きを変えたかった。  しかし、実際には A 〜 C 方向にしか変えられなかった。 

風向き構想図

さて、動きを制限する長穴とボルトの位置関係を確認してみよう。  見やすくするために、ボルトをマゼンタの丸で示し、長穴は白くしてみた。  また、実際にはシロッコファン側から写真を撮ったが、構想図とあわせて理解しやすくするために写真は左右反転してある。 

A 上向き C 斜め向き

写真 A の真上を向かせたときと、写真 C の斜め向きのが下の図の A と C だ。  風向き調整できたのはこの A 〜 C の間だけなので希望の向きにならないということだったのだ。  だから B の位置にできるようにするにはボルトと穴の位置関係を変更すれば良いわけだ。 

下の写真が付け替えた結果で、当初の予定の A 〜 B ではなく、 B 〜 D の間の調整が可能な状態になった。  A 〜 B の間の調整ができないことで問題がないかどうかはわからないが、少なくとも最初の状態とは反対向きに風がでるようになったわけで、マズは使ってみようということにした。 

B 斜め向き D 横向き

あとは元のように組み立てて使ってみるわけだ。 

取り付け→成功

自転車のサドル方面から見たところ

では組み立てて、輪ゴムをつけてみるとこんな感じだ。  サドルから見ると風の噴出し口がこちらを向いていることがわかる。  尻から背中に向けて風が当たりそうだ。 

溝などなくともローラーの端っこが太くなっていれば外れることはない。  だから気にせず写真のようにつけてかまわない。 

こんな感じ

後ろから見るとこんな感じ。  扇風機のプーリーに力を伝える輪ゴムを、後輪ローラーが回すということで、本当のところはどうか不明だが気分的にダイレクト感が増した。 

使用

実際に使用してみたところ、およそ 23km/h くらいで 300W くらいの出力となっている。  近い速度では以前コンコーニテストをしたときに、三本ローラーの速度と出力の関係をしらべたら、およそ 24km/h のときに約 103W だった。  タイヤの空気圧や体重が影響するので、そこら辺の数値は統制していないため、そのうちちゃんと測定してみるつもりだが、同じくらいの速度なのに三倍の出力が必要ということでいい負荷となっているといえよう。  これを書いている今は冬だから、ウォーミングアップ中は風があたって寒いもんな。  当時よりもペダルを回す技術が向上して安定した数値が取れるといいな。 

発熱について

三本ローラーで自転車を漕いで発生する熱について記述した。  当然部屋の気温だって上がるんじゃないかと思ったのだが、客観的に見えないとわかりにくい。  ちょうど当方の自宅サーバで気温の記録をとっているので、そのグラフを見てみよう。  下のグラフは約 90 分で 900kJ の出力(計算上平均 160W )をした時のグラフだ。 

出力グラフ

三本ローラーで自転車を漕いで発生する熱について計算した時の過程で、効率 25% 程度としたわけなので、平均 160W ということは、 640W 分くらいの熱が発生していたといえるだろう。 

気温グラフ(日)

2014/01/07 の 2 時台は室温は 5 ℃だ。  グラフでは、漕ぎ始めてすぐの 03:00 に 6 ℃に上がり、 04:10 ごろから 7 ℃にあがっている。  心拍の下げ始めは 04:20 過ぎくらいかな、漕ぎ終わりは 04:30 くらいだ。  漕ぎ終わった直後の 04:35 くらいだろうか、 6 ℃に下がり、 05:55 くらいに 5 ℃に下がっている。 

2014/01/07 だけとか、その日だけ何か特殊要因があるのではないかという疑いもなきにしもあらずだ。  そこで、下のグラフだ。 

気温グラフ(週)

矢印の位置はそれぞれ左から 2013/12/31 早朝、 2014/01/04 早朝、 2014/01/07 早朝だ。  冬で、最低気温を記録する前に終えているから、別の要因で気温が上がることはないハズだ。  どれもだいたい 90 分くらいで 900kJ 弱を漕いで発生させているから、平均 160W くらいだ。  このように、冬でも室温を 1 ℃〜 2 ℃も上げるほどの運動をするのだから、自転車を漕ぐと暑いのは間違いない。 

風の当たらない三本ローラーが暑い理由がわかった。  やっぱり扇風機が必要だ。  今回の改造で Kreitler Killer Tailwind Fan となったわけだが、左前方のローラーが空いたから、もう一セット Kreitler Killer Headwind Fan を購入して前後から風を当てるとかいうことも可能だ。  ただ、負荷は相当高くなるだろうなぁ。  あ、ひょっとして前後に装着すると 23km/h でも 600W くらい必要になったりするんだろうか?  それを考えるとスゴい負荷装置だ。 

最後に

前回 Kreitler Killer Headwind Fan は買いだ!と書いた。  当方は半年以上つかってみて、やっぱり「買い」であることは変わらない。  この記事を読んでいる貴方が、たくさん実績のある ELITE でなく、ミノウラの三本ローラーをお持ちでも買いだ。  他のタイプの三本ローラーでも、前のローラーの左側に輪ゴムのハマる溝があるか、またはフチよりもローラーのほうが細ければ使える。  当方のような改造しなくたって、左前方に素直に取り付けるのだけなら、ミノウラの三本ローラーにはモンキーレンチ一本持っていれば 10 分ほどの作業で使えるようになる。  参考になれば幸いである。 

2014 年のアタック 299 (予想: 8 月第一日曜日開催)に向けて、三本ローラーでトレーニングに励みたい。  でも、当方はココロが弱いから、本当はガシガシとトレーニングに励みたいけど、あんまりトレーニングしないんだろうなぁ……  意見・感想も歓迎だ。 


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